いつも気を使い過ぎて、心が疲れてしまう」「このままで大丈夫なのか、自信がない」と不安になったりモヤモヤしてしまうことはないでしょうか? そんな悩みを吹き飛ばし、胸が晴れる気持ちにしてくれるのが『精神科医が娘に送る心理学の手紙――思い通りにならない世の中を軽やかに渡り歩く37のメッセージ』です。悩む人たちに40年以上向き合ってきた精神科医が、自分の娘に「どうしても伝えたかったこと」を綴った本書は、韓国で20万部を超えるベストセラーとなりました。本記事では、その内容の一部を紹介します。

人生最後の日の後悔を減らすために「今すぐやめるべきこと」・ナンバー1Photo: Adobe Stock

「他人が求めるもの」を追い求めない

人生最後の日の後悔を少しでも減らしたいならば、本当の自分はどんな姿で何を求めているのか追求してみるべきだ。

もし、他人の欲望を自分に投影することに慣れてしまっているなら、その理由も考えてみるべき。

こんな話をすると、中には「もし自分の思うままに生きて失敗したらどうするんですか?」と言う人もいる。

しかし、自分の願う方向に進むことは、取り残されるといった競争の次元ではない。

むしろその過程で自分が何者なのかを知ることができる手段であり、願いが明確であればあるほど、人生に対する満足度は高まっていくのだ。

たとえば、誰よりも自分自身に忠実であったスティーブ・ジョブズ。彼が大学を卒業していく若者たちに次のような言葉を残したのも、そんな理由からだろう。

「君たちの時間は限られている。だから自分以外の人の人生を生きることで時間を無駄にしてはならない。他人の思考に振り回されるようなドグマのワナに絡めとられるな。他人の意見という雑音に自分の内なる声をかき消されないように。そして最も大事なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つということだ」

昔のことわざに「目を閉じれば鼻が削がれる世の中だ」というのがある。

生き馬の目を抜く厳しい世の中だという意味だが、今は目を閉じていなくても鼻を削がれそうな世の中だ。

こんな世の中だからこそ、自分の心、自分の考え、自分の声に関心を持ちなさい。つまり、何よりも「自分」についてよく悩むべきなのだ。

あなたも、「他人が思う期待」に合わせようとして、大事な人生を無駄にしないで。

あなたが主張することで、その場では憎まれることになるかもしれない。だけどよく考えてみて。あなたの人生を生きるのは誰かということを。

あなたは、あなたの声に従うのみだ。

(本記事は『精神科医が娘に送る心理学の手紙――思い通りにならない世の中を軽やかに渡り歩く37のメッセージ』の一部を抜粋・編集したものです)