税務署に「狙われやすい人」5つの特徴とは?
人生100年時代、お金を増やすより、守る意識のほうが大切です。相続税は、1人につき1回しか発生しない税金ですが、その額は極めて大きく、無視できません。家族間のトラブルも年々増えており、相続争いの8割近くが遺産5000万円以下の「普通の家庭」で起きています。
本連載は、相続にまつわる法律や税金の基礎知識から、相続争いの裁判例や税務調査の勘所を学ぶものです。著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超えている。大増税改革と言われている「相続贈与一体化」に完全対応の『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】 相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!』を出版する。遺言書、相続税、贈与税、不動産、税務調査、各種手続という観点から、相続のリアルをあますところなく伝えている。2024年から贈与税の新ルールが適用されるが、その際の注意点を聞いた。

税務署に「狙われやすい人」5つの特徴とは?Photo: Adobe Stock

どんな人が税務署に狙われるのか?

 本日は「相続と税務署」についてお話をします。年末年始、相続について話し合った方もいらっしゃるかと思います。ぜひ参考にしてください。

 本日は「税務署に狙われやすい人、5つの特徴」というお話をしていきます。

①富裕層

 1つ目の特徴はズバリ「富裕層」、いわゆるお金持ちですね。資産規模が大きい人ほど、税務調査が入りやすい傾向があります。税理士の間では、資産が3億円を超えてくると、かなり高い確率で税務調査が行われると言われています。また、基礎控除を少し超えるくらいの規模の方でも調査が入ることがあります。

「大きな財産がないから大丈夫」というわけではありません。地域によっても“富裕層”の基準は変わります。例えば、東京の港区や世田谷区など、全国的にお金持ちが多い地域とそうでない地域とでは、基準が変わります。仮に同じ財産規模でも、その地域の「富裕層」に入ってしまうと、やはり調査対象になりやすいという傾向があります。

②経営者・個人事業主

 2つ目の特徴は会社の経営経験がある方、もしくは個人事業主としてビジネスをしていた方は、調査に入りやすいですね。私が立ち会った調査を振り返ってみると、経営者だった方が非常に多いです。会社経営をしていた方の場合は、個人の財産だけでなく会社の財産もチェックされ、株主名簿を見せてほしいなど、法人と個人との間で何か不自然な取引がなかったか確認されます。

 歯科医や弁護士など、個人で開業している専門職の方も同様です。要するに、自分で事業を行っていた経歴がある方は、注意が必要ということですね。

 さて、残り3つの特徴を見ていきましょう。