いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と絶賛する同書より、内容の一部を特別公開する。
今回紹介するのは、劇作家や皇帝ネロの少年時代の家庭教師という顔も持つ、ローマ帝国時代の哲学者セネカの名言だ。彼は宮廷で多くの人間の弱さや悪行を目の当たりにして葛藤しながらも、怒りやお金、友情、時間の経過といった普遍的な問題について思考を深めた。そんなセネカの思考の原則がわかる言葉だ。
自分の資源を使う
厳しいものは和らげることができる。
狭いものは広げられる。
重い荷物は巧みに担げば、軽くできる。
──セネカ『心の平静について』(第10章4)
現実は変えられない。自分の力を生かして対処するだけ
ストイシズムでは、自分にある資質、技術、経験、ものの見方、長所を吟味したうえで困難に立ち向かうことが推奨される。
世界のありようを変えることはできなくても、自分の強みを場面に応じて切り替えながら活用し、ものごとにうまく対処することならできる。
困難な状況に直面したときに、怒りや苛立ちで思考を曇らせるのか、困難は人生につきものだと思えるかは、あなたにかかっている。
(本原稿は『STOIC 人生の教科書ストイシズム』からの抜粋です)