真田広之Photo:Tommaso Boddi/GG2025/gettyimages

ドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』が、エミー賞で同賞創設以来最多となる18冠を獲得したのに続いて、ゴールデン・グローブ賞でも4冠に輝いた。大成功した理由は何か、ハリウッドの有名エンターテインメント紙『Variety』のベテラン記者に緊急インタビューを敢行。真田広之さんや浅野忠信さんら俳優陣の魅力や凄み、制作陣が巨費を投じた背景について詳しく語ってもらった(一部敬称略)。(国際ジャーナリスト 大野和基)
※本稿はネタバレを含みます

真田広之はトラナガで
映画スターが持つ重厚な演技を披露

――『SHOGUN 将軍』のプロデューサーであり、主演の真田広之さんはどう評価しますか?

 ここ数年、アメリカでは多くの映画スターがテレビドラマに出演するようになりました。リース・ウィザースプーンやジュリア・ロバーツなど、10~20年前にはドラマシリーズには出なかった人たちが出るようになっています。

 真田広之もそうしたトレンドの一人です。彼はSHOGUNで、真の映画スターが持つ、重厚な演技を披露しています。彼のフィルモグラフィー(これまで出演した映画作品)に詳しくなくても、彼にはスクリーンで見られるような存在感があることは、誰の目にも明らかです。

 真田が演じるトラナガ(作中の吉井虎永)は、まさに、何千人もの兵士と絶大な権力を統率した将軍であると、誰もが納得します。トラナガの威厳を見ていると、なぜ周囲の人が彼に熱狂するのか、そしてなぜ彼が最終的に勝利するのかが分かります。