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金融業界の激震は「世界危機清算」の始まりか?
ウォール街の覇者・ゴールドマン訴追の“本当の意味”

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第123回】 2010年4月27日
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 4月16日、米国のSEC(米国証券取引委員会)が、サブプライム関連の金融派生商品であるCDO(債務担保証券)の販売に関連して、ゴールドマン・サックスを訴追した。

 それをきっかけに、当日の米国株式市場は大きく下落し、その影響は世界の主要な株式市場に及んだ。その動き見ても、オバマ政権が“ウォール街覇者”であるゴールドマンを訴追したことは、大きなインパクトを持つことがわかる。

 今回の訴追は、米国のオバマ政権が、大手金融機関に対する規制強化を目指す流れの一環と見るべきだ。オバマ大統領の意識の中には、「“100年に1度の金融危機”を発生させた原因の1つが、大手金融機関の投機的な行動だった」との見方があるのだろう。

 そうであれば、「金融機関の行動に規制をかけないと、危機の再発を防げない」という考え方に行き着くのは、必然だ。逆に言えば、金融機関に厳しい規制をかければ、危機の再発を防げる、つまり「“100年に一度の危機”の清算が可能になる」との発想だ。ゴールドマンの訴追は、その考え方の表れと見るとわかり易い。

 問題は、“ウォール街の覇者”の違法性をちゃんと立証できるか否かだ。ゴールドマンに限らず、それ以外の有力金融機関にとって、訴追の行方は今後のビジネス展開に大きな意味を持つ。

 彼らはロビー活動も含め、全力を挙げてオバマ政権に抵抗することだろう。専門家の間でも、立証可能性については意見が分かれるところだ。訴追の最終決着は、今のところ予断を許さない。

リスクを承知でCDOを売りさばいた
ゴールドマンサックスの「重い責任」

 これまでの経緯を振り返ってみよう。今回の提訴の原因となったのは、2007年にゴールドマンが販売したサブプライムローンを基にした金融派生商品「CDO」(債務担保証券)だ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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