上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

上司として、部下の困りごとや悩みを把握するのが大事な仕事だと認識している人は多いでしょう。「何か困ったことがあったら言ってね」「悩んでいることはない?」などと声がけをしている人もいるかもしれません。ただ、重要なのは、その後の返答を聞く上司の対応です。返し方によっては、部下の心を閉ざしてしまっているかもしれないのです。(キャリアデザイン・インターナショナル代表取締役 渡邉文子)

「困ったことはない」と
部下に言われたときの上司のNG言動とは?

 あなたは、部下から「困ったことは何もないです」と言われて、「あぁ、よかった」と安堵の態度を示したことはありませんか。

 何気ない上司の言葉や態度が、部下との信頼関係に大きな影響を与えることがあります。パーソル総合研究所の調査(2016年)によれば、部下は「自分への無関心」や「正しさへの固執」「多忙さ」といった特徴がある上司に本音で話しづらい傾向があるといいます。

 もしかすると「困ったことは何もないです」は、あなたに本音を言えていないサインかもしれません。あるいは、その返事を聞いた上での態度で「やはり現場を分かろうとしない上司」だと、“ダメ上司”の烙印を押されてしまうかもしれません。

 今回は、部下が心を閉ざすことになりがちなNGワードや、信頼関係を築くための具体的な対応策について解説します。

部下が「本音を言わなくなる」
上司のNG言動

 部下は、上司からのさりげない一言に敏感です。

「困ったことはない」という返答に対して、上司がすぐに「よかった」と話題を変えたり、「そんなことはないだろう」と過去のミスを持ち出したりすると、部下は本当の問題を打ち明けにくくなります。具体的には、次のような反応は避けたほうがよいでしょう。