
「家が寒い」と感じている人は検討したい“家の断熱化”。室内の温度が低い家は、快適でないだけでなく、住む人の健康を左右することもある。しかし、費用がかさむからと二の足を踏んでいる人も多いのではないだろうか。そんな人たちに向けて政府が実施している「断熱リフォーム」への助成。例をみながら、わが家の寒さ対策と命を守る施策を考えたい。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
室温が18℃未満の家に住む人は
健康診断で心電図の異常所見が1.8倍
2月は強烈な寒波の襲来が相次いだ。大雪被害も気になるが、実は「寒い家」が健康を害することをご存じだろうか。
国土交通省のサイトによると、室温が18℃以上の住宅に住む人に比べて、12℃~18℃未満の住宅に住む人では、健康診断で心電図の異常所見が1.8倍、12℃未満の住宅に住む人では2.2倍にも上がるという。なお、総コレステロール値が基準範囲を超える人も、1.8倍~1.9倍に増加するのだとか。家が寒いと、いわゆる「入浴事故リスク」も上がってしまう。居住環境は健康問題に直結しているのだ。
ちょうど今、健康に関するトピックで紛糾しているのが「高額療養費制度」の見直しだ。高額の医療費がかかっても一定の負担額までで済むというありがたい公的制度だが、この自己負担額が引き上げられる方向にある。負担の上限は患者の収入に応じて決まり、収入が増えれば自己負担となる金額も高くなる。
今のところ二段階の制度見直しが検討されており、該当者が多いとされる年収約510万円~650万円の人の場合、現在の約8万円から11万円越えの金額に、約650万円~770万円の人では14万円近くまで引き上げられる可能性があるのだ(70歳未満の場合)。わが家のお金を守る意味でも健康でいることがいっそう重要になる。