なぜセブンは「ツナマヨおにぎり」を値上げしないのか?「そりゃそうだ」と思える納得の理由Photo:ABACA PRESS/JIJI

「令和の米騒動」で米の高騰が止まらない。コンビニ各社がおにぎりや弁当の値上げに動くなか、セブン‐イレブンはツナマヨおにぎりの価格を据え置いている。そこに隠された巧みな戦略とは?(イトモス研究所所長 小倉健一)

コメの値段は3年で2倍!

 お米の値段が暴騰している。2023年の梅雨明け以降、北・東日本を中心に記録的な高温で推移したことで、白未熟粒と呼ばれるお米が大量に発生し、お米の値段が上がるきっかけとなった。

 お米は、工業製品ではない。つくろうと思っても、すぐにつくることはできず、品質もばらつきがある。そのために、価格がちょっとしたことで乱高下しやすいのだ。

 ウェブサイトminorasu0「【2024年産】米の買取価格の動向と今後の予測|農家が取るべき対応とは?」によると、2021年に1万2804円、2022年に1万3844円、2023年には1万5315円だった米価(玄米、60kg)が、2024年産では2万3191円と跳ね上がっている。3年前と比べて約2倍になっているのだから、消費者はビックリしていることだろう。

 コンビニのお米を使った商品群は、お米価格の高騰によって値上げを余儀なくされている。そんな中、あるコンビニがあえて直近の値上げを見送った戦略的な商品がある。セブン‐イレブンの「手巻おにぎり ツナマヨネーズ」だ。

 セブン‐イレブンは1月20日付でおにぎりや弁当など37品目の値上げを発表した。例えば「塩むすび」は税込み116.64円から138.24円へと2割近く値上げされた。