世界投資へのパスポート
【第414回】 2016年4月18日公開(2017年1月16日更新)
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「世界投資へのパスポート」

著者・コラム紹介

世界投資へのパスポート

広瀬隆雄 ひろせ・たかお
三洋証券、S.G.ウォーバーグ証券(現UBS証券)、ハンブレクト&クィスト証券(現J.P.モルガン証券)を経て、2003年、投資顧問会社・コンテクスチュアル・インベストメンツLLCを設立。長年、外国株式関連業務に携わっており、特にBRICsをはじめとした新興国市場に詳しい。米国カリフォルニア州在住。

広瀬 隆雄

米国市場は第1四半期決算発表シーズンに突入!
好決算を発表したJPモルガンは買いか?
下方修正でもここから買って良い株とは?

<今回のポイント>
1.第1四半期のEPSは3期連続で前年比マイナスが予想される
2.第2四半期以降、EPSは尻上がりに改善が見込まれる
3.アルコアは決算こそまちまちだったが分社化の材料があるので「買い」
4.JPモルガンの決算は予想を上回ったがパワーに欠ける
5.今週はネットフリックス、アルファベット、GE、マクドナルドに注目

米国の株式市場、第1四半期決算の見通しと
第2四半期以降の見通しは?

 先週から米国では2016年第1四半期の決算発表シーズンに突入しています。

 そこでまず全体像ですが、米国を代表する株価指数であるS&P500指数の第1四半期のEPSは26.37ドルになると予想されています。これは前年同期比-7.5%です。

 もしこの予想が実現すればS&P500指数のEPS(一株当たり利益)は3期連続で前年比マイナスを記録することになります。

 その原因ですが、原油価格の低迷でエネルギー・セクターの企業が軒並み赤字を出していることが足を引っ張っています。

 コモディティ価格の低迷で素材セクターも-18.8%と落ち込みが大きいです。

 さらにドル高の影響で工業、ハイテク、消費安定セクターがマイナスになっている点も見逃せません。

 すでに原油価格が底打ちしていること、その他のコモディティ価格も反発していること、為替がドル安に転じていることなどから、第2四半期以降のEPSは尻上がりに改善すると見られています。

 株価は将来を織り込むという性質があります。すると今後業績は改善基調になるわけですから第1四半期の決算が悪かったからといって慌てて売らない方が良いと思われます。

下方修正のあったアルコアが
むしろ「買い」チャンスの理由とは?

 これまでに決算発表があった企業について解説します。

 まず先週月曜日にアルコア(ティッカーシンボル:AA)が決算発表しました。EPSは予想3セントに対して7セント、売上高は予想51.5億ドルに対して49.5億ドルでした。

 売上高成長率は前年比-15.0%と落ち込んでいるのですが、これはアルミニュームならびにアルミナ価格が-20.7%下落したことによります。

 アルコアは今、分社化計画を進めています。航空機向けアルミニュームなどの付加価値製品を扱う新会社はアルコニックという名称になります。

 アルミナなどの素材のビジネスはアルコアの名称を継承します。

 今回の決算発表で2016年通年のアルミニューム需要予想が、これまでの+6%から+5%へ下方修正されました。その主な原因は旅客機向けアルミニュームの需要予想がこれまでの+8%~9%から+6~8%へ下方修正されたことによります。

 現在、旅客機メーカーは旧型機の生産を絞り込み、最新鋭機へとシフト中です。生産ラインの切り替えに時間がかかっている関係で、出荷が遅れるのが下方修正の原因です。これは旅客機そのものの売れ行きに陰りが見えているということでは決してありません。

 したがって今回の下方修正は、まったく気にしなくて良いと思います。

 実際のところ、分社化によって、同社の川上ならびに川下のビジネスが再評価されることが予想されますので、アルコアは買いチャンスだと思います。

決算がよかったJPモルガンだが
今後の強い株価上昇は見込めない

JPモルガン(ティッカーシンボル:JPM)の第1四半期決算は予想を上回りました。

 EPSは予想1.26ドルに対し1.35ドル、売上高は予想228.7億ドルに対し232億ドルでした。

 同行は強い投資銀行部門を持っていることで有名です。その投資銀行売上高は12億ドル(前年比-24%)でした。債券ならびに株式の引受フィーは、ディールが少なかったので低調でした。その反面、M&Aフィーは好調でした。

 債券トレーディング部門は前年比-13%、株式トレーディング部門は前年比-5%でした。これは先週決算発表したライバルのバンク・オブ・アメリカ(ティッカーシンボル:BAC)やシティグループ(ティッカーシンボル:C)にも言える事ですが、事前の予想に反して債券トレーディングの落ち込みが、それほど酷くなかった点が印象に残りました。

 注目された貸倒引当金は18億ドルでした。ちなみに去年の同期は9.59億ドルでした。うち石油・天然ガス向け貸付の貸倒引当金は+5.29億ドル(ガイダンスは+5億ドル)、鉱業向けは+1.62億ドル(ガイダンスは+1億ドル)でした。これらのクレジット・コストはEPSを13セント押し下げる効果がありました。

 まとめるとJPモルガンの決算は事前の低い期待に比べればホッと一安心する内容でしたが、今後、株価がズンズン上昇することを予感させるほど力強い内容ではありませんでした。

 同じことはバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウエルズファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)についても言えます。

マクドナルドなどその他に注目される
今週決算発表予定の4社の予想値

 ネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)は4月18日(月)引け後に決算発表する予定です。予想はEPSが4セント、売上高が19.7億ドルです。サブスクライバー数は米国が+177万人、海外が+438万人と予想されています。

 アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)は4月21日(木)引け後に決算発表する予定です。予想はEPSが7.96ドル、売上高が203.1億ドルです。

ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)は4月22日(金)寄付き前に決算発表する予定です。予想はEPSが19セント、売上高が279.7億ドルです。

マクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)は4月22日(金)寄付き前に決算発表する予定です。予想はEPSが1.16ドル、売上高が57.9億ドルです。

【2017年5月1日更新!】

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