手帳の役割といえば、真っ先に思いつくのが、日々のスケジュールを管理したり、ちょっとしたメモを取ったりすることだろう。しかし近年では、iPhoneをはじめとしたスマートフォンが普及して、かつて「紙」の手帳が担っていたそうした役割は、デジタルツールで簡単かつ便利に代替できるようになっている。
紙の手帳は、もはや過去のモノであり、時代遅れなのだろうか!?……いやいや、そんなことはありません!
書店や文具店に行けば、紙の手帳コーナーは例年以上に盛り上がっているし、実際多くの人がデジタルツールと紙の手帳を併用しているのではないだろうか。
本連載に登場していただく4人の方たちも、デジタルツールの利便性を最大限に活用しながら、一方で紙の手帳を愛用している。しかも、それぞれにオリジナル手帳のプロデュースまでしている“紙の手帳LOVE”な人たちなのだ。
普通のノートにはないメリットとは?
紙の手帳は使い方次第で「自分の財産」に
彼らはなぜ紙の手帳を使い続けているのか。
「僕の仕事の予定は、僕を含めた複数の人間で共有しなければなりません。そのため、時間(スケジュール)管理には主にデジタルツールを使っています。ただ、デジタルツールに書き込むことができるのは、単なる時間の割り振りに過ぎません。将来的に実現させたい『目標』や、仕事や講演、本の執筆の『アイデア』などは、手書きであることが重要です。自らの手で手帳に丁寧に書き込むことで、やるべきことやアイデアが意識に刻み込まれ、より戦略的に物事を考えることができるようになるんです」(陰山英男氏)
たしかに自分の手で文字を綴ることは、デジタルツールにはなく、紙の手帳だからこその特徴だ。とはいえ、手書きにこだわるのなら、別に手帳ではなく、普通のノートでもいいのではないか。
ところが、彼らは口をそろえて「手帳に書くことに意味がある」と話す。