「週刊ダイヤモンド」9/10号の第2特集は「カープ25年目の歓喜に沸く広島今昔物語」です。広島東洋カープの1991年以来25年ぶりのリーグ優勝を目前に、広島の街は早くも盛り上がっています。待ちに待った25年という時間の重みに迫り、広島の経済・産業の25年間の変貌ぶりを振り返りました。本特集にも登場した広島東洋カープの松田一宏オーナー代行のインタビューを特別公開します。
──今年のカープは絶好調で、優勝が近づいています。去年までと何が違いますか?
1996年、広島学院高等学校在学中、ひろしま国体に軟式野球で出場。 2003年、慶應義塾大学卒業後、広島東洋カープに入社。13年に広島東洋カープ常務取締役・オーナー代行へ就任。
今年は雰囲気が違いますね。選手も楽しんでいるように感じます。いろんな選手が活躍していますしね。去年と比べると若い選手が出てきています。僕らは営業サイドなので、そんなにベンチに行ったりするわけではないし、シーズン中は選手と話をすることはあまりないんですけどね。
去年は黒田博樹選手や新井貴浩選手が帰ってきて優勝が狙えるという雰囲気があってよかったんですけど、今年も広島の街全体で盛り上がってきていると思います。チームの遠征中、家でカープ戦の中継を見ている時に外から拍手が聞こえてきたりして、見ている方がいるんだなと。
──カープはグッズ販売の話題が取り上げられることが多いですね。
球団の方針として、「親子三世代」で楽しんでもらいたいといつも心がけてきました。そのためにどうすればいいのかということを常に考えてきました。面白いグッズを考えたり、球場や施設に毎年新しい形を取り入れたりするのも、その考えの延長にあります。今年だったら、雪遊びができるスノーパークを作ったのも、親子で楽しんでもらいたいからです。各売り場はスタッフ任せているので、お客様とふれあうなかで商品の置き方を工夫し、それに対するお客様の反応を見ながらグッズのデザインを考えたりしています。
──時間をかけて人を育てていくというのはカープの伝統ですが、そういった現場主義も伝統的なものですか?
そう思いますね。広島市民球場時代もチケットを自分たちで売っていましたし、企画も考えていました。その頃からインパクトのあるグッズを作っているという声をいただいていました。
例えば、(一塁ベースを放り投げて退場となったマーティー・ブラウン監督を冷やかした)ベースを投げているTシャツとか。常にアイデアを出しあい、ちょっとひねったグッズを作って、お客様に反応してもらえるような工夫をしてきました。