オフィスでの眠気を完全撃退する
「最強の昼寝」の効果

とはいえ、三流の私は、毎日6時間30分をキープするような意志力も、仕事の処理速度も持ち合わせていません。

飲み会だ、残業だ、ネットニュースのザッピングだと、週に3日は5時間台になることが避けられませんでした。そんな日の翌日は、だいたい午後2時~4時頃に強烈な眠気に襲われました。手元の資料の内容が一切頭に入ってこないのです。この時間帯の私は、全く使いモノにならない。これはまずい。

そこで、 『一流の睡眠』の中で「最強の対策」だと紹介されている「昼寝」を試してみることにしましたまずは、最も睡魔に襲われる「ランチ後にやってくる五流の時間帯」に、人知れず昼寝を敢行。場所は空いている会議室や、打ち合わせなどに出かけた際の電車内などです。その結果、

「20分昼寝すると眠気が吹っ飛び、退社まで一度も眠くならなかった」
「ただし、睡眠時間5時間以下の日が3日続くと、昼寝しても眠くなる」

ということが判明しました。

厚生労働省が公式文書で昼寝を推奨する時代になり、一部の意識の高い会社では、仮眠が推奨されているといいます。しかし、多くの方は、「今から昼寝してきます!」などと、堂々と昼寝できる勇気もオフィスの風土もないのが実情でしょう。

私も例外ではありませんが、背に腹は代えられません。私はランチのあと、さりげなく会議室の予約状況をチェックし、30分空いている時間帯を確認。その時間になると、おもむろに立ち上がり、会議資料とペンを手にして、キョロキョロと周囲の目を盗みつつ会議室に忍び込みました。

「昼寝は20分以内」『一流の睡眠』に書いてあるので、20分後の時刻を意識して、念のため20分後にスマホのアラームを設定し、しばし爆睡しました。
  
20分後、アラームが鳴る直前に目が覚めました。若干まどろみつつ会議室を出て、洗面所で顔を洗い、デスクに戻りました。席を空けていた時間は25分くらい。席を立つときに会議資料とペンを持ったのは、「25分も席を空けて何やってたんだこいつ」という周囲の視線に負けないようにするためです。自販機で炭酸水を買って、「ちょっと買い物してきた感」も演出。昼寝しにくい環境にある方は、私のように自分なりのカモフラージュ法を考えておくと良いかもしれません。

「周囲の視線など気にならない」という屈強なメンタルタフネスを持ち合わせた方ならば、デスクで堂々と寝てもいいでしょう。

そして昼寝後、眠気は完全に吹き飛んでいて、まるで朝デスクに着いた状態にリセットしたような感覚に。これまで、コーヒーを3杯もガブ飲みしたり、階段を上り下りしたり、取組前の力士のように顔を思い切り叩いたりとさまざま試みてもほとんど効かなかったのに、たった20分の昼寝で比較にならないほどのスッキリ感がありました。「眠気は眠って解消する」というのがベストな問題解決法なのかもしれません。当たり前ですが……。

一方で、もう1つ別の発見がありました。睡眠時間5時間以下の日が3日続くと、昼寝しても、しばらくするとまた眠気に襲われたことです。

私が寝不足を昼寝でリカバーできるのは、連続2日までが限度。2日寝不足が続いたら、3日目は何が何でも切り上げてたっぷり寝ることを決めました。昼寝もあくまで「対症療法」であり、夜の絶対的な睡眠時間を確保できていなければ、無制限にカバーできるわけではない、ということなのかもしれません。

(※なお、「30分以上昼寝すると逆効果」など、医学的データに基づいた戦略的な昼寝の仕方や、その他の睡眠の悩み全般に関する具体的な32の解決策については、ぜひ『一流の睡眠』をご覧ください)

以上、私の実験結果をまとめると、こうなります。

・なるべく6時間半の睡眠時間を確保する
・どうしてもそれ以下になってしまった翌日は、20分の昼寝でリカバーする
・2日寝不足が続いたら、3日目は何が何でもたっぷり睡眠をとる

これは、私が読んだどの睡眠本にも書いていなかった方法です。私がパフォーマンスを落とさないための、私だけに特化した「睡眠戦略」です。

この方法を身につけて何がいちばん変わったのかというと、「睡眠に関するストレスがほとんどなくなった」ということです。「なぜ眠いのか」「眠気を撃退するにはどうすればいいのか」がわかったので、イライラ・モヤモヤすることがなくなりました。

おそらく、「一流のビジネスパーソン」と呼ばれる人たちも、自分なりの戦略を身につけているのだと思います。「一流の睡眠」が身についたからといって一流のビジネスパーソンになれるわけではありませんが、少なくとも一流に近づくための「環境」は、『一流の睡眠』で整えることができる、と言えそうです。

皆さんもぜひ、自分なりの「睡眠戦略」を編み出してみてください。

イチロー並みの「打率」を目指す、三流の日々は続きます。

※本記事は素人の体験記なので、医学的な根拠は一切ないことをご了承ください。ただし、医学的根拠をもとに書かれた書籍の内容を、忠実に実行した事実であることを誓います。

【編集部:今野良介】