日本国内には、地方参政権といえども外国人に参政権を付与することに慎重論が多い。参政権が欲しければ帰化すればいいではないかとの議論がある。また、在日韓国人に地方参政権を与えたら、中国人はどうするのかという議論もある。

 仮に地方参政権を与える場合にも、在日韓国人の中でも永住権を持ち、長年税金を納めている人々など、相当絞らざるを得ないであろう。こうした論点をクリアするには多くの困難も予想され、一朝一夕にはいかないであろう。ただ、日本が在日韓国人を社会の一員として受け入れるオープンな雰囲気が進めば、むしろ進んで日本社会の一員となり、日本国籍を取得しようという決意を抱かせよう。

就職差別はかなり緩和
社会的活動も多岐に

 在日韓国人の中でも年配の世代には、あるいは帰化は手続き的な国籍取得ではなく、民族的同化を求めるものであるといった過去の考え方がまだ残っており、心情的に日本国籍取得に抵抗があるのであろう。日本に帰化したら、韓国に残る親戚にどう思われるか気になる人がまだいるのかもしれない。

 そうした抵抗のない在米韓国人の間では、米国籍への帰化がより気軽に行われている。以前は日本に帰化した者で韓国系と自認する者が少なく、日本人と自認する者しか帰化しない時代が長く続いた。しかし、1980年代以降は、日本国籍を取得しながら民族的出自を明らかにする者も増えつつあり、韓国系日本人を同胞視する在日韓国人も増えている。在日韓国人もその中心が3世、4世の若い世代に移っており、帰化に対する抵抗も少なくなっている。韓国でも帰化した韓国系であっても在日同胞と位置付けている。

 こうした日韓の状況に鑑み、在日が将来どちらの方に向かっているか。確実に日本社会に溶け込み、日本人化する方向に向かっているのではないかと考える。

 これまで在日韓国人に対しては、第二次大戦後に韓国・朝鮮人による犯罪が増加したという現実があり、山口組構成員のうち約10%が在日韓国・朝鮮人であるとも一部では言われている。また、従来、在日韓国・朝鮮人の職業としてパチンコ、不動産、焼き肉などの自営業が多いとされていた。何となく迷惑な存在という見方があったことも否定しない。

 しかし、それはある意味、日本社会において厳しい生活環境のもとにあった在日の状況を反映したものでもある。過去には在日に対する厳しい就職差別があったため、自営業の道に進まざるを得ず、場合によっては反社会的行動にも走ったのである。

 現在は、こうした就職差別もだいぶ緩和されてきており、在日韓国人の社会的活動も多岐にわたっている。