下の表で見るように、北と南の価格変動率は約17%も違う。6000万円の新築物件なら、1000万円の価格差がついたことになる。こうなるのは、タワーは開口部が広く、北向きでも日中明るく、中古市場では実物を内覧するので眺望が良ければ価値が認識されやすいからだ。実際、北向きが値上がりしている行政区は、中央区・港区・江東区に集中しており、その値上がり幅は20%程になっている。

◆図表4:向き別中古騰落率(首都圏)

◆図表5:行政区別北向きの中古騰落率

税効果がどれくらいあるか?
不動産購入はバランスで考える

 タワーマンションが値下がりしにくいのは、マンションの物件属性の5つの中の1つであり、これまでも紹介してきた。これは保有期間10年で通常マンションより10%以上の価格差を生むほどの大きな差である。タワーには節税ニーズの購入者も加わり、アベノミクス以降の値上がり幅でも通常のマンションを1割程度上回っている。下層階、北向き、都心眺望、大規模、駅近などの条件を加えていけば、購入額の50%以上の含み益を出した例は数千に及ぶだろう。こうした売買益は自宅に限り3000万円まで無税となる。共有であれば、6000万円まで使える。加えて、この制度は2年おきに使うことができる。

 これに対して、今回の建物評価の是正は最大2%程度の違いに過ぎなかった。それも価格の上がりやすい下層階が減税されるというメリットまである。マンションは1戸1戸の個別性が少なく、データ収集がしやすい。この結果、どんな物件を買えばいいか、この価格は高くないか、税効果はどのくらいあるかを、購入前からかなり調べることができる。

 今回見てきたように、サンプル数も多く取れるので、調査はそれほど難しくない。マンションで資産形成に成功した人は世の中に数多く、誰でもチャレンジすることができる。ただし、成功するのはその法則性を知っている場合に限られることは言うまでもない。