クチコミ・レビューサイトにも有料化の波!?
排他性を売り物にするアンジーズ・リストの快進撃

　風呂の配水管から水が漏れている。さて、だれに修理を頼めばいいだろう。新しい町に引っ越してきたが、いい歯科医はどこだろう。

　誰でもこんな悩みにぶち当たったことはあるはずだ。近所の住人に聞いて回ってもいいが、それでは手間がかかる。

　そんなときに役に立つのが、アンジーズ・リスト（Angie's list）である。アンジーズ・リストは、いわゆるユーザー投稿型の地元業者の評価サイトだ。医者、歯医者、整体業、マッサージ師から、建設業者、配管業者、電気配線、自動車修理、部品業者、庭師、獣医まで、さまざまな分野の業者の評判がここでわかる。

　日本と同じように、アメリカにもレストラン評価サイトは数多ある。また、ホテルや小売店などを評価するサイトもある。だが、間違った相手に当たれば金銭的に大損をしたり、健康も損ねるといった上記のような業種の評価サイトはなかなかなかった。アンジーズ・リストは、そうした業者に関する口コミ情報や評価を提供している珍しいサイトなのである。

　アンジーズ・リストの特徴はそれだけではない。ユーザーの口コミをアテにした無料のユーザー投稿型サイトがほとんどの中で、ここは「有料」だ。評価サイトにアクセスできるのも有料会員だけ、投稿できるのも有料会員だけだ。

　まずはアンジーズ・リストをちょっと覗いてみよう。

　たとえば、サンフランシスコ地域のアンジーズ・リストへアクセスする。会費は都市によって異なり、サンフランシスコの場合は業者リスト＋医療関係リストの抱き合わせで、月々7.42ドル。これに入会費の10ドルが加わる。どちらかひとつだけならば、毎月4.25ドルだけの支払いで済む。1年から4年までの長期契約もあり、最大50％の割引が適用される。長期間にわたって家を改装しているとか、家族が多くて何かと医者が必要になるといった場合には、長期契約も役に立つだろう。