「異常なプーチン愛」を示す
トランプの目的とは?

 一方、外国から見ると、まったく理解できないのが、トランプの異常なまでの「プーチン愛」だ。

 彼は選挙戦中から一貫して、「プーチンとの和解、協力」を主張してきた。ヒラリー陣営は、これを利用した。彼女は、「トランプは、プーチンの傀儡だ」と主張した。

 オバマ政権や、ヒラリーを支持するメディアは、1.プーチンは悪魔のような男 2.トランプは、悪魔(プーチン)の傀儡 3.だからヒラリーに投票するべき――という論法で選挙戦を戦ってきた。それでも、トランプの言動は、変わることがなかった。

 最近では、「ロシアがサイバー攻撃で米大統領選に介入した」ことが、大問題になっている。トランプは、「介入」を認めた上で、驚くべき発言をした。それでも「反ロシア派」は「バカ」だというのだ。

<【米政権交代】トランプ氏、反ロシア派は「馬鹿」 選挙介入認めるも   BBC News 1/9(月) 13:54配信
  米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏を有利にしようとロシア政府が民主党本部をハッキングするなど、選挙に介入しようとしたという米政府の報告書公表を受けて、トランプ氏は7日、それまでの主張を翻して介入があったことは認めたものの、ロシアとの良好な関係維持に反対するのは「馬鹿」で「愚か者」だと連続ツイートした。>

 なぜトランプは、「親プーチン」「親ロシア」なのか?彼の論理は、「対ISでロシアと協力できるから」である。

 トランプは、オバマのシリア政策を軽蔑している。オバマには、シリアに「アサド」「IS」という2つの敵がいた。オバマは、「ISをせん滅する!」と言ったが、それができない事情があった。

 しばしばテロを起こすISは、一方で米国と同じく「反アサド」なのだ。つまり、オバマとISは、「反アサド」で利害が一致していた。そのため、米国と有志連合の空爆は「手抜き」で、ISは弱まることがなかった。

 トランプは、オバマの優柔不断を「馬鹿げている」と考えている。では、トランプの「アサド、IS観」はどのようなものなのか?彼は、「アサドは悪だが、ISはもっと悪い」と語っている。なぜなら、「アサドが政権にとどまっていても、米国に実質被害はない。しかしISはテロを起こすので、米国の実質的脅威である」と。

 極めて合理的である。この「アサド政権を容認し、ISをせん滅する」というのは、プーチンと同じ立場である。だからトランプは、プーチンと和解したいというのだ。