ユーザー同士の会話が購買行動へ昇華していく
森永乳業のコミュニティサイト「Newの森」

参加者コメントの「文字量の多さ」と「熱量」

――「Newの森」を担当して驚いたこと、事前の想定と違っていたことはありましたか。

森永乳業株式会社マーケティングコミュニケーション部マネージャーの山西啓代さん

山西 他部署にいた私と山川は、2016年の3月から担当しています。引き継いだ当初は「Newの森」が会員数2万人というそれなりに大きな規模のコミュニティサイトなのに、多くのお客さまが活発に会話をしていると聞いて半信半疑でした。普通、このくらいの規模のコミュニティになるとお客さま同士の親密な関係が薄れ、あまり活発な会話が出てこなくなるものですから。

 ところが関わってみると、本当にお客さま同士で「どうやってヨーグルトを食べていますか?」という会話をしていたり、乳製品のおいしさについて熱く語り合っている。私たちが出した森永乳業の情報に対しても、真剣に反応してくださって、びっくりしました。コメントの文字量の多さはもちろん、コメントの「熱量」がすごいんです。

 弊社が研究している腸内フローラや機能性といった少し難しいと思われる情報でも、「勉強になりました」「ビフィズス菌が入ったビヒダスを食べたいと思った」などと書いてくださって。

山川 お客さまが商品エピソードを語ってくださるのがすごくうれしいですね。「子どもの時から大好きだった「pino(ピノ)」を、今は自分の子どもと食べています」というコメントを読むと、弊社がお客さまの人生に寄り添うことができているということが伝わり、胸が熱くなります。

山田 山西さんや山川さんが、森永乳業の活動を紹介する「かわら版」記事を、カジュアルに顧客視点で、更新頻度高く書いてくださっていることも、お客さまがそうしたコメントをしやすい環境作りに好影響を与えていると思います。

リアルイベントの参加者レポートで感情が増幅される

――「Newの森」ではさまざまなイベントを開催しています。リアルイベントも多いようですね。

森永乳業株式会社マーケティングコミュニケーション部リーダーの山川寛子さん

山川 昨年実施した「2016「森永乳業商品」総選挙」では、投票総数が1万3620票に達しました。第1位は「pino」、第2位は「PARM(パルム)」、第3位は「森永アロエヨーグルト」という結果になったのですが、投票フォームには支持する商品と、商品にちなんだエピソードがたくさん書かれていました。

 またオフィシャル・マーケティング・パートナーとなった「LEGOLAND(R)Japan」(名古屋市)のプレビューデーに「Newの森」会員10組40名を招待したところ、「pino」とコラボした「イマジネーション・セレブレーション」というアトラクションに乗った感想を、多くのお客さまたちが詳細なレポートにまとめてくれました。

 また昨年8月には東京で、牛乳や乳製品を無理なく和食に取り入れる「ミルク和食」をつくる料理教室イベントを開きました。平日の開催のため参加者は主婦の方が中心だったのですが、とても喜んでいただきました。

 そこで、次は親子で参加できるイベントを開きたいと考えて、今年3月に「夢の工場見学へ行こう!@神戸工場見学」を実施しました。工場見学はCSR推進部でも行っているため、「Newの森」ならではの特別な企画という想いを込めて夢の工場見学というタイトルにして、「pinoのつかみ取りゲーム」や、弊社の商品を好きなだけ使って作れる「夢のパフェ作り」なども行いました。つかみ取りはすごく盛り上がりましたし、パフェ作りは、子どもはもちろん親御さんも「好きなだけ使える機会なんてないからすごくうれしい!」と喜んでくださいました。

 また「かわら版」を更新しているのが、当日の案内役だった私たちと知って「より親しみを持てるようになった」という言葉もいただきました。リアルの場でお客さまに会うと、お互いの距離が大きく縮まりますね。

山西 一般的にはイベントの様子をレポートするのは企業側の私たちの役目ですが、「Newの森」では招待されたお客さまがコミュニティに戻ってレポートを書き、他のコミュニティ会員の方々も疑似体験している。感情が増幅して伝わっていく様子がよくわかります。

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