貯蓄上手のカップルとお金が貯まらないカップルは、お金に対する根本的な態度が違う。お金がたまっていくカップルの共通点と、お金を貯めていくためのルールについて、ベストセラー『20代のいま、やっておくべきお金のこと』の著者が語ります。
健全な家計とは、
貯金している家計のこと
これまで、いろいろなカップルの相談にのり、千組以上のカップルの家計や貯蓄をみてきた。
最近の20代30代には節約上手なカップルが多い。
料理上手な夫が毎朝夫婦2人分の弁当をつくっている、外で飲む代わりに友人同士で自宅に招きあって家飲みを楽しむなど、お金を使わずに楽しむ方法をいろいろ実行していて、精神的にも豊かだ。感心させられる。
一方で、クレジットカードのリボ払いやカードローンの支払に追われているカップルからの深刻な相談もある。
貯蓄上手のカップルとお金が貯まらないカップルは、お金に対する根本的な態度が違う。
貯まらないカップルに共通するのは、「月末にお金が残ったら貯金しよう」「給料が上がって余裕ができたら貯金しよう」「子どもが生まれてから貯金しよう」と考えていること。
これは大きな間違いだ(ここにさらに、安易なカードの使い方が加わると問題になる)。
貯金は、給料が多くても少なくても、余裕があってもなくても、子どもが生まれても生まれなくても、20代でも30代でも40代でもするべきこと。
これが貯金の第1ルールだ。
そしてそれを、退職までずっと続けていく。
健全な家計とは、毎年貯金ができていて、それが年々増えていく家計のことだ。
貯めるには、目の前の楽しみをぐっと我慢しなければならない。
我慢できるのは、自分と家族を愛しているからにほかならない。
貯金は将来の自分と家族へのプレゼントだから、苦しい義務じゃなくて喜びになる。
自分と家族の3年後、5年後、10年後に想像力を働かせよう。
やがて生まれてくるわが子のため、ママになる妻/パパになる夫のため、家族で楽しく暮らすために、結婚10年目を祝うために、成長していく子どもたちのために。
もちろん今の生活も楽しみたい。
将来の備えるために今の楽しみをすべて犠牲にするのは不健全だ。
だから大切なのは、今使うお金と、将来の自分と家族にプレゼントするお金とにバランスよく配分することだ。
現在と将来のバランス。これこそが結婚マネー成功のキーワードだ。
中村芳子 [ファイナンシャル・プランナー]
有限会社 アルファ アンド アソシエイツ代表取締役。
1986年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。
1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。20代30代のマネー啓蒙に特に力を入れている。
マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」を監修。
著書は、ベストセラーの『20代のいま、やっておくべきお金のこと』ほか多数。