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英語学習は早くから始めるほうが有利だと思われがちだが、バイリンガル教育を受けた子どもが授業についていけなくなる事態が起きている。しかも、早くから英語を学んでも、習得度に大きな違いは見られなかったという。実は、第二言語を身につけるには、一見遠回りに見える別の道がある。教育熱心な親ほど見落としがちな、その方法とは?※本稿は、認知科学者の松井智子『バイリンガルの壁――子どものことばの発達をどう支えるか』(岩波書店)の一部を抜粋・編集したものです。
優秀なはずのバイリンガル児が
学校の授業についていけない
バイリンガル児(編集部注/母語の違う2人の国際結婚で生まれた子どもなど、生後すぐに2つの言語に触れて育った児童)がモノリンガル児と比べて語彙の発達が遅れていても、日常会話で何か問題が起こるということはほとんどないようです。大抵の場合、問題が表面化するのは就学後に学習が始まってからです。
学校で授業を受けるとき、教室で机を並べている同年齢のモノリンガル児がそれほど苦労なく理解できることばが、バイリンガル児には理解できないという状況が繰り返し起こるようになり、問題が発覚することになります。
そうなると、モノリンガル児の年齢を標準とする言語能力がバイリンガル児にはないということになり、バイリンガル児は年齢相応の言語能力がないとみなされるようになるのです。
このような問題が起こらないようにするために、できることは何でしょうか。バイリンガル児が学校で使われていることばをできる限り早いうちに習得するようにすれば、就学後の学習困難は起こりにくくなり、モノリンガル児との差が縮まるのではないかと考える人は多いかと思います。







