◆昭和型喫茶店の魅力
◇アンチスタバ派に好まれる理由

 スターバックスが日本に上陸して以来、おしゃれなカフェが日本の喫茶文化を変えてしまった。コーヒーのメニューが多様化し、女性客が増え、店舗もスタイリッシュになった。だが、スターバックスが苦手な人は意外に多い。わかりにくいメニューや、カッコつけているところが好まれなかったりする。それに対して、コメダは肩ひじ張らない店にしているので、カジュアルに利用されている。

 コメダのメニューには、スターバックスにあるような舌をかみそうなメニューはない。高度経済成長期に浸透したメニューそのままにしているので、年配客に好評だ。お客さんの年齢別データを見ると、20代以下と60代以上が多く、世代を問わず来店されていることがわかる。

 近年のコメダの店舗数の増加は驚異的だ。業界一位のスターバックスを上回る出店数である。このコメダの成功例をみて、最近は模倣する競合が相次いでいる。郊外型でログハウス風の建物、間仕切りのある座席、年中無休の長時間営業のコーヒーチェーン店などがそうだ。かつてドトールの店舗拡大で駆逐された街の喫茶店が、21世紀になって反転して攻勢に出ているともいえる。

◇店舗設計の秘密

 郊外型のコメダは、出店する際に駐車場を優先して設計している。これは、郊外型の店は、店が見えた段階からお客さんの体験が始まると考えているからだ。できるだけスムーズにクルマが敷地内に入って駐車できるよう、広いスペースを取るようにしている。また、敷地内を清掃するのは当たり前だが、その周辺まで掃除することで、店のイメージを保っているのである。

 コメダの建物は、山小屋風だ。これは、どこか懐かしく親しみやすい店づくりにしているからだ。重心が低く、階段で上がるような店にせず、天井も高くして木のぬくもりあふれる空間にしている。昭和レトロな店の内装でも、心理面での落ち着きを重視している。これにより、誰もが気軽に入れるよう敷居を低くしているという。

 店内の座席は、どこも間仕切りがあり落ち着ける空間をつくり出している。ソファも座る部分の奥ゆき、ひざ下、背もたれのサイズにこだわり、ベロア調のエンジ色で統一されている。このデザインは、十数年かけてたどりついた最も心地よいものだそうだ。

 また、店内に新聞や雑誌がズラリと揃っているところも特徴だ。これを楽しみにしているお客さんも多い。地域特性も考慮して、スポーツ新聞は複数部ある。近くに幼稚園や保育園がある場合には、子供向けの絵本まで置いてあり、お母さんたちにも喜ばれているのだ。