2020年にオリンピック・パラリンピックを控える東京だが、国際オリンピック委員会は「たばこのない五輪」を掲げており、北京五輪以降全ての開催都市で罰則付きの喫煙規制が施行されている。対策が急務となる中、その前段階として、19年のラグビーワールドカップ前の施行をにらんだ法制化も困難となり、規制が骨抜きとなれば国際的な非難は免れない。

焦点は加熱式たばこの扱い

 いまだ法案提出すらままならない状況だが、メーカーは別の焦点にも関心を寄せる。それは、加熱式たばこなどの扱いだ。

 加熱式たばこでは、フィリップ・モリス・ジャパンの「アイコス」が、既に国内で300万台を売り上げ、圧倒的なシェアを誇る。その中で、巻き返しを狙うJTの「プルーム・テック」やブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンの「グロー」が、今夏から東京などでの展開を相次いで発表し、市場の拡大に期待がかかる。

 現行案では、加熱式たばこも規制の枠組みに加えた上で、「健康影響が明らかでないものを政令で規制対象から除外」(厚労省)し、施行までに判断するとしている。しかし、実際に加熱式たばこと疾病との関連などを証明するには20年はかかるとされ、施行までにどのような判断基準で扱いを決めるのかは明らかでない。

 あるメーカー幹部は「紙巻きたばことの有害物資が含まれる量の違いや、喫煙者にとっての利点を認識して、現実的な判断をしてほしい」と、加熱式たばこ除外への本音を漏らす。喫煙規制の強化はもはや不可避だが、加熱式たばこの扱いによっては、注力するメーカーには新たなチャンスともなりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本 輝)