また社協は、引きこもる人たちやその家族などの「居場所」づくりなどに協力してもらう支え手を養成するため、昨年11月から今年2月にかけて、「ひきこもりサポーター養成講座」を5回シリーズで開催。定員30人に対し、一般市民38人の応募があったという。

 同市では、他にも「ひきこもりから自立した者が支援者となるピアサポーター」の養成や、「居場所カフェ」といった居場所の設置、長期欠席児童生徒にアプローチする「支援員」の配置、市民に理解を広げる「情報提供」、生活支援サービスや多様な就労形態を創出するなどの「就労支援」に取り組んでいる。

 一昨年4月に施行された生活困窮者自立支援法では、「ひきこもり状態にある人」も主な対象者としている。同法を管轄する厚労省の社会・援護局生活困窮者自立支援室は、今年6月に公表した資料の中で、秋田県藤里町や大阪府豊中市などの8自治体と並んで、総社市の取り組みを「自治体の行った実態把握の先進事例」として紹介している。

「届かぬ思い」を掘り起し
どう制度に反映させるか?

 今後は、孤立する本人との窓口である家族への支援とともに、ワンタッチなどを通じて掘り起こした当事者たちの声や思いを、どう支援の仕組みや制度の中に生かしていけるのか、当事者と一緒になって考えていくプロセスが大事かもしれない。

 同市は、こうした取り組みをまとめた『総社市における「ひきこもり」支援の取り組み報告書』を8月中に発刊する予定だ。

(ジャーナリスト 池上正樹)