ユーロはこのところ急反発していますが、これは売られ過ぎ、下がり過ぎの修正が主な要因です。
ただ、それ自体は終わりにかなり近いと思っていますので、この先の反発は限られると思っています。
行き過ぎたユーロ安はほぼ修正された
ユーロは一時の101円レベル、1.32ドルレベルから、週明けには107円レベル、1.39ドルレベルまで急反発してきました。
この急反発が始まる前のユーロは、売られ過ぎ、下がり過ぎがかなり懸念される状況となっていました。
たとえば、CFTC(米商品先物取引委員会)統計を見ると、投機筋のユーロのポジションは「資料1」のように、10月初めにかけて8万枚の売り越しとなっていました。
これは確認できるかぎりでは、過去2番目の大幅な売り越しで、売られ過ぎ懸念がかなり強くなっていたのです。
資料1
また、90日移動平均線からのカイ離率を見ると、一時は「資料2」「資料3」のように、ユーロ/円はマイナス9%、ユーロ/米ドルはマイナス7%程度まで拡大していました。
経験的に、このカイ離率がマイナス10%前後に達すると、下がり過ぎ懸念が強くなります。その意味では、ユーロは、対円、対米ドルともに、かなり下がり過ぎ懸念も強くなっていたと言えます。
資料2
資料3
ただし、最近にかけてユーロが急反発したことで、このカイ離率は対円、対米ドルともにマイナス2~3%程度まで急激に縮小してきました。
これからすると、ユーロの下がり過ぎはほぼ修正されたと言えるでしょう。
ユーロの反発は1.38ドル、もしくは1.4ドルあたりまでか
それでは、ユーロが今後、逆に上がり過ぎ拡大に向かう可能性はあるのでしょうか? それを考える上でカギを握っているのは金利でしょう。
「資料4」は、ECB(欧州中央銀行)の政策金利を反映しやすいドイツの1年債利回りの90日移動平均線からのカイ離率ですが、これを見ると、空前の下がり過ぎとなっていた状況が、徐々に修正されてきたことがわかるでしょう。
つまり、下がり過ぎの修正で金利が上昇したことで、下がり過ぎ、売られ過ぎとなっていたユーロが反発に転じたということです。
その意味では、ユーロの反発がさらに続くのかは、金利上昇がどこまで続くのかが目安となるでしょう。