◇正直に言えば……

 著者は、自分を、フェミニストとしてダメだ、と言う。もしフェミニストだとしても悪いほうのだ、と。

 なぜなら、職場に向かう車の中で、ものすごい音量で、女性蔑視的な歌詞のラップを聞いているから。ピンクも好きだし、ファッションも大好きだし、男も大好きだから。それに、虫退治やゴミ出しのような一部の家事は男の仕事だと思っているから。

 でも、著者はフェミニズムにとって重要な問題に関わり、性差別、賃金の不平等、女性に対する暴力などについてはっきりと意見を言い、戦う。多くの人と同様に、矛盾だらけであるが、「女でいることを理由にクソみたいな扱いは受けたくないのだ」。だからこそ、著者は、フェミニストではなく、バッド・フェミニストを名乗る。まったくフェミニストでないよりは、バッド・フェミニストでいることを選ぶ。

一読のすすめ

 要約では、本書に収録されているたくさんのエッセイの中から一部を選んでまとめた。ここで紹介しているほかにも、スターのカミングアウト問題や、無実の黒人の射殺事件の裁判など、さまざまなトピックがとりあげられている。パラパラとめくって、気になるところからつまみ食いして読んでいくのもよいだろう。

「女性」がターゲットの本だと思うかもしれないが、あらゆる性の方に大切な視点を提供する一冊である。

評点(5点満点)

著者情報

ロクサーヌ・ゲイ (Roxane Gay)

 1974年ネブラスカ州生まれ。2011年に短編小説集『アイチ』を上梓。2014年、初のエッセイ集『バッド・フェミニスト』(本書)と長編小説『アンテイムド・ステイト』で人気作家に。「ニューヨーク・タイムズ」に寄稿。マーベル社のコミック『ブラックパンサー:ワールド・オブ・ワカンダ』の原作者でもある。2017年には体重と自己イメージの問題をテーマにつづったエッセイ集『ハンガー』、短編小説集『ディフィカルト・ウィメン』を刊行。

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