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「エンゲージメント」は気持ちの問題ではない
企業の業績を伸ばす決定的な指標だ

――マルケト スティーブ・ルーカスCEOに聞く

ダイヤモンドIT&ビジネス
【第74回】 2017年11月1日
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エンゲージメントは儲かる

――マーケティングと営業、顧客サポートなどの部門間の連携が密になった場合、各部署の役割が変わります。企業には、既存の領域を飛び越えた貢献度などを計測して、評価につなげる仕組みが必要になるのではないでしょうか。

 その通りです。「エンゲージメント・メトリクス」呼ばれる指標の研究と開発が進められています。企業の各部門が、顧客の生涯価値に対して、どのような貢献をしたのかを計測して、数値化するものです。

 企業にとってエンゲージメントが重要だということは、この指標と業績の関連性を見ることでわかってきました。弊社の調査では、エンゲージメントを重視している企業は、従来の見込み客、広告効果などを指標としてきた企業と比べて40%も高い企業価値を生み出しているという結果が出ています。

 マルケト自身もエンゲージメントのスコアを今年新たに開発し、「EQ」という独自の指標にして、社内に導入しています。米国本社内で、顧客がどれだけ製品に対してエンゲージメントが高いのかを調査し、セールス、サポート、マーケティングを含めて各部門について評価しました。

 その結果、30%の営業部員が、エンゲージメントの低い顧客に対して営業を続けていたことがわかりました。よりエンゲージメントの高い顧客に対して営業する必要がある一方で、エンゲージメントの低い顧客に対してはサポート部門が対応し、顧客の稼働率を上げて離脱を防ぐ必要があります。EQは米国本社で導入済みで、来年から日本を含む海外事業所にも展開する予定です。

――エンゲージメント強化のために、企業経営者は何をすべきですか。

 CEOが抜本的な改革を望むのであれば、“2つめのCEO”と言える「チーフ・エンゲージメント・オフォサー」を任命することが有効です。事実上の適任者は、CMOになります。CMOがエンゲージメントを最重点に活動すると、マーケティングは大きく進化します。単に見込み客を生んで育てるだけでなく、企業全体の活動を顧客起点に変えていくことができるのです。

 この“2人のCEO”が、先ほどの新しい指標を見ながら経営していくことが、企業を成長させていくことになります。

(聞き手/ダイヤモンド・オンライン IT&ビジネス 指田昌夫)

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