『アルフレッド・アドラー一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝える

自ら動く子どもを育てたいなら、褒めるのではなく◯◯を伝えることだ

 親や教師が子どもの「共同体感覚」を高めるためには、自己信頼と他者信頼の体験を積ませることから始めなくてはなりません。具体的には、子どもに協力を求め、それに対して感謝の言葉を伝えるのです。

 感謝されれば誰でも嬉しいものです。そして、自分が行った貢献に対して感謝が返ってきたときに初めて人は自己効力感が満たされ、自己信頼を感じます。同時に相手に対しても信頼感を持つ。すなわち他者信頼も芽生えるのです。

「感謝する」のと「ほめる」のは違います。例えば、子どもが片付けのお手伝いをした時に「ありがとう。とっても助かるよ」と言うのと、「偉いね。よくできたね」と言うのでは、受け取る際の印象が違うことがおわかりでしょう。「感謝」は横から目線。「ほめる」は上から目線です。現に、新入社員が社長に対して「よくできたね」とほめることはしないでしょう。それをされたら社長はむっとするはずです。なぜならば「ほめる」は上から目線であり、なおかつ相手に対して「期待していない」ことが前提だからです。

 上から目線で「ほめられる」よりも横から目線で「感謝される」ことが自己信頼と他者信頼には、はるかに有効です。 貢献と感謝の体験を増やすことが共同体感覚を養う上で最も大切なことなのです。

自ら動く子どもを育てたいなら、褒めるのではなく◯◯を伝えることだアルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

※本連載は日曜日以外の毎日更新します。