『風、薫る』第97回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第97回(2026年8月11日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
埃は大敵、清潔第一
はじめての無償看護の患者さんが現れた。反町四郎(岡部尚)を看てほしいと妻・登勢(前田亜季)が訪ねてきた。町医者には喘息と診断され、夜になると咳き込むことが増えていた。お金がかかるので、定期的に診てもらえない。仕事は工場の日雇い。
長屋にやってくる直美(上坂樹里)。狭くて、人がたくさんいる。人がたくさんいる長屋。このドラマでは、全員が大家さんの頃を思い出す。そこは高齢者ばかりだったが、ここは元気な子どもがいる。スタジオのセットだとどうしても奥行きがなく単調になってしまうので、長屋の突き当たりを照明でぼかし平面的な画面にならないように工夫がされている。奥には煙突が見える。
家のなかに入ると、とてもちらかっている。木彫りの子どものおもちゃのようなものが散らばっている。
直美はお湯で吸入させる。桶にお湯を入れて、それをゆっくり吸うと、呼吸が楽になる。これ、いまでもいいかも。
次に直美は部屋の掃除をはじめる。そこで、大量のマッチをみつける。登勢はマッチ箱の内職をしていた。
直美は過去を思い出す。ドラマの序盤、直美はマッチ箱作りの仕事をしていた。あのときの彼女はとても荒んでいたが、いまや、すっかり落ち着いて物腰の柔らかな御婦人になった。
子どもが帰ってきて、汚れた足で畳にあがる。部屋が汚いのは、遊び盛りの子どもが原因のひとつのようだ。
登勢は、単価の安いマッチを作ることに精一杯で、掃除や子どもの世話にまで手が回らないのだろう。だが喘息に埃は禁物。やっぱり何はなくても「清潔」が大切なのだ。







