一般病床500床以上から
400床以上に対象範囲を拡大

 厚生労働省の「平成28年度 診療報酬改定の結果検証にかかる特別調査」の報告書によると、500床以上の病院を初めて受診した患者の中で、紹介状を持たずに受診したのは、制度開始前の2015年10月は42.6%。これに対して、制度開始後の2016年10月は39.7%になり、2.9%減少した。

 報告書では、この2.9%の微減をもって、定額負担の義務化は「一定の効果があった」と結論付けている。

 こうした報告書もあり、来年度の医療費の具体的な改定項目を決める中医協(中央社会保険医療協議会)では、医療機関のさらなる機能分化を進めるために、対象病院の範囲の見直しを求める意見が相次ぎ、拡大の方針が決定した。

 一部に、一般病床200床以上の病院まで広げることを求める声もあったが、最終的には400床以上の病院を対象とすることで決着した。

 この範囲拡大で、対象病院は現状の262施設から400施設程度まで増える見込みで、大病院というより中規模病院まで含まれることになる。

 救急、やむを得ない事情がある場合は、紹介状なしで大病院を受診しても特別料金は徴収されないが、医療機関の少ない地方では医療へのアクセスが狭められないように、国や医療機関は細心の注意を払うべきだろう。

 また、体調が悪いのに特別料金を支払えないせいで受診のタイミングを逃さないように、大病院の初診時定額負担には、他にも次のような例外規定があることを、患者である国民としても覚えておきたい。

・難病など公費負担医療の対象患者
・無料低額診療事業の対象患者
・HIV感染者
・その病院の別の診療科を受診中の患者
・医科と歯科で院内紹介した患者
・特定健診、がん検診等の結果により精密検査の指示があった患者
・救急医療事業における休日夜間受診患者
・周産期事業等における休日夜間受診患者
・外来受診後そのまま入院となった患者
・治験協力者である患者
・災害により被害を受けた患者
・労働災害、公務災害、交通事故、自費診療の患者
・保険医療機関が必要性を特に認めた患者
・周辺に診療できる医療機関がない病気の患者

 この例外を除くと、来年4月以降は、特定機能病院に加えて、地域にある一般病床400床以上の病院が定額負担徴収の対象に拡大される。知らずに受診して、「こんなはずではなかった」と驚かないように、病院を受診する前に病床数を調べるようにしたいもの。