インテリジェンスを活かすか殺すかは
リーダーにかかっている

秋山 ビジネスでも、明確な指示がない場合もありますね。そういう場合は、上司のスケジュールを見たりして今何が争点になっているのか、興味関心の領域は何か、など任務や立場や状況などの文脈を考えて、情報を上げることが必要になりますね。

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上田 「(上司の)意図を洞察せよ」ということですね。また、問いかけて初めて本人が何を欲していたか分かることもあります。

 国家レベルでいうと、戦後長らく、国家戦略は米国の後追いをしていれば大丈夫でした。しかし今は状況が違うので、しっかりした戦略やビジョンがなければインテリジェンスも的確に集められません。

秋山 リーダーにはっきりした戦略や目的があることは重要ですが、スターリンのような独裁者は自分に都合のいい情報しか聞かなかったということもありますね。

上田 そうなんです。太平洋戦争では総力戦研究所という機関ができ、日本がアメリカに負けるという分析結論を出しました。しかし、東条英樹は「結論はあくまでも図上研究である」として、その結果を受け入れようとしませんでした。

 中東戦争を戦ったイスラエルでは、組織の長の結論に部下である情報分析員は何一つ反論しなかった。それで、分析に民間人を参加させました。すると、彼らは組織とは無関係ですから、忌憚なく意見を提示して、有益な情報を組織にもたらすことができたという事例があります。

 このことからも、指揮命令系統にない第三者、外部を入れることは重要だと思っています。

秋山 企業でも、外の視点を入れることは本当に重要ですね。