経営戦略を立てるために必要な
「3要素」とは?
前回は経営戦略を立てるために必要な3要素として(1)ビジョンや理念の確立・徹底、(2)外部環境分析、(3)内部環境分析がある、とご紹介しました。今回はこの3つの要素から経営戦略を立てる手順を具体的にお話します。
小宮コンサルタンツ代表
3要素の中身を詳しく説明しましょう。
まず「会社の存在意義(目的)を明確に表現したビジョン・理念を確立・徹底する」。
どの会社にも立派なビジョンや理念があるはずですが、それが「ある」というだけでは不十分です。大切なことは、経営者がビジョン・理念を常に従業員に語り浸透させる一方で、経営者自身もビジョン・理念に基づいた経営を行っていなければなりません。
そのためには、社員に言い続け、自分に言い続け、みずから実践し続けることが重要です。社長は「指揮官先頭」で「歩くビジョン・理念」となる必要があります。
そして「外部環境分析」と「内部環境分析」。
外部環境とはライバル会社の動向、人口動態の変化、法律の改正、全国展開している企業であれば日本のマクロ経済の動向、地域密着型であれば地域経済の動向、海外市場に進出していれば、その国の状況にも影響などのこと。つまり企業自身がコントロールできない事象すべてです。
内部環境はヒト・モノ・カネの経営資源、情報、時間といった企業自身がコントロールできるものを指します。ライバル他社と比べた相対的な「強み」や「弱み」の分析が中心になります。