人間ドックで栄養失調がみつかる

 疲れてはいるが、動けないほどではない。でも、元気もやる気もでない。よく眠れない。朝起きる時に、疲れていて床から出られない。

 こんな状態になじみ過ぎているせいか、自分は病気という自覚がなかった。しかしDさんは、年に1回定期的に受けている健康診断で、なんと40歳にして栄養失調と言われてしまった。血液検査で再検査となり、もう一度、専門医に診てもらった。特に驚いたのは同世代の男と比較して骨密度と筋肉量が低下していたことだ。

 長年のテレビ局生活。不規則かつ運動不足は自覚していたが、3食食べている自分がまさか栄養失調で、しかも骨密度や筋肉が衰えていると言われたことが信じられなかった。

 診察室での回答は意外なものだった。「Dさんは3食食べていますが、きちんと栄養が摂れていませんね。毎日、1日1回は肉と魚を交互に食べてください。人間の筋肉はたんぱく質でできています。動物性たんぱくを摂らないと人間はパワーがでません。また魚も大切です。特に魚に含まれる油は不飽和脂肪酸といわれ脳にまで届きます。脳まで届くということは神経細胞にも届き疲労感も軽減します。

 朝は魚。夜は肉を食べると決めて、食生活を変えてみませんか?面倒だったら魚の缶詰や鮭フレークでかまいません。お肉は自分で調理するのが大変だったら、缶詰でもいいですよ。野菜は冷凍食品でも大丈夫ですし。ホウレンソウなどの青い野菜を電子レンジで温めてお浸しにしてみてください」

 Dさんは目からうろこだった。体にいいと思いこんだ食生活で栄養失調になってしまっていたからだ。Dさんはその日以来魚の缶詰か鮭フレークに野菜の味噌汁を朝ごはんにした。時間がないときは魚肉ソーセージと野菜ジュースにした。夜は外食なら豚の生姜焼き定食。家で食べるなら野菜料理一品と肉の缶詰などにした。

 1ヵ月を過ぎる頃には、みるみると元気が出てきた。不思議とみんなに「具合悪いの?」と言われなくなった。そうするとここなしか、性格も穏やかになりイライラしなくなった。寝つきもよくなった。

 大変な病気をする前に食生活を変えてよかったと実感したDさんだった。筋肉不足や骨量不足は運動で改善するらしい。とはいえ、運動する時間もない。局の階段をかけあがるだけでいいと言われたので、前よりもエレベーターを使わないように心がけたDさんだった。