三井物産vs伊藤忠、通期決算で商社2位争いの熱い戦い資源事業の好調などで業績見通しを上方修正した三井物産。だが、2位復帰のためには課題も Photo:REUTERS/AFLO

過去最高益を更新
通期見通しを上方修正

「当社の資源・エネルギー分野の力強さを改めて示した」(松原圭吾・三井物産最高財務責任者[CFO])

 三井物産は2月2日、2018年3月期の第3四半期決算を発表。連結純利益は3768億円と過去最高益を更新するとともに、通期見通しを当初の4000億円から4400億円へ上方修正した。

 一方、同日に決算発表を行った伊藤忠商事も、第3四半期の連結純利益は過去最高益を更新したものの、三井物産を下回る3571億円。通期見通しも、当初からの4000億円に据え置いたため、三井物産を下回ることになった。

 三井物産は16年3月期に創業来初の赤字に転落後、三菱商事、伊藤忠に次ぐ業界3位に低迷してきたが、見込み通りなら、久しぶりに2位へと返り咲くことになる。

 三井物産は今回の業績上方修正に伴い、年間配当金の増配や自社株買い・消却など、年間総額1725億円という“太っ腹”な株主還元も公表。同日の株価は4%超値上がりし、時価総額は約3兆6500億円と、伊藤忠の3兆6300億円をわずかながらも上回った。