登録された配達員は個人事業主
どこまで保護されるのか

UberEaetを運んでみた!

 結局、恵比寿を中心に、2時間で3件の配達をこなして得た報酬はわずか1718円。繁忙時間帯のブースト(割増)の活用や、熟達して効率よく数をこなせるようになればもっと稼げるらしいが、運動不足の足はパンパンで限界。出版社にも労基署の目が厳しくなっている昨今、休日残業手当の方がはるかに実入りがいいと思える。

 誰でも簡単に登録できるというのは、ウーバーが持つ利点の一つだし、サービスの質は、一律にマニュアル化して教育するのではなく、相互評価システムによって担保しているというのもうなずける。だが、感じたのは、誰でも非常にお気軽に配達員なれてしまうという怖さと、そうして登録された配達員がどこまで保護されるのか、配達員自身はそれを理解しているのかという懸念でもある。

 ウーバーイーツのドライバーは個人事業主であり、言ってみれば経営者扱い。労働基準法の保護の対象外になってしまう。労働者のように最低賃金や労災補償といった保護はない。自転車利用の配達員に対しては、対人対物の保険を適用しているというが、自分がけがをしたときに治療費が支払われるようなことはない。

 自己責任といえばそれまでだ。だが、本家の海外ライドシェアでは、こうした不透明な雇用関係やトラブル、事故時の責任の所在といった問題点が指摘されている。英国では、ウーバーのドライバーを実質的な労働者として認める判決もあり、ドライバーを保護する体制づくりが社会的に要請されつつある。

 各産業が渇望する配達員という労働力だが、きちんとした仕組みづくりと理解の共有がなければ、労働力搾取の構造に陥るだろう。

(『週刊ダイヤモンド』物流クライシス特集取材班)