「たった1分の音読で、英語がスラスラ話せる。英語4技能も伸びる」。
「そんなバカな！」と思うかもしれないが、事実だ。
今、『1分間英語音読』という本が話題になっている。著者は東進ハイスクール英語科講師の大岩秀樹氏。1分間英語音読とは、「1分と時間を区切り、中学レベルの基礎英文を繰り返す」音読法だ。
音読する英文に英語4技能（Reading・Listening・Speaking・Writing）すべてに欠かせない文法事項が盛り込まれており、「やればやるほど英語力が伸びる！」を実感できる構成になっている。内容の一部を特別公開する（構成：中村明博）
「やさしい英文」を音読しよう！
英語を学習する目的の違いは考慮すべきですが、「やさしい英文こそ音読すべき」と私は思っています。しかし、
大岩秀樹（おおいわ・ひでき）東進ハイスクール・東進衛星予備校英語科講師
18歳まで英語は苦手教科の代表格で、偏差値は20台。しかし音読との出合いにより、英語力をメキメキ上げ、予備校講師として人生を歩めるほどに。受験生時代に、音読とわかりやすい授業で人生を変えてくれた予備校講師にあこがれ、予備校講師になることを決意。大学生時代は、東進の小中学部講師として指導に励む（大学受験部は学生講師不可）。自分と同じように、音読の有無のような「ちょっとしたところ」でつまずいて伸び悩む生徒の力になるため、ときには自主的に週7日体制をとり、年間300日以上指導にあたった。その後、東進ハイスクールの採用試験を通過し、23歳という若さで東進ハイスクール・東進衛星予備校の映像授業の担当講師に大抜擢。中学生から大学生を対象とする基礎講座のみならず、難関講座も多数担当。その対象の広さで得た経験から、「受験の先にある実社会で必要とされる英語力」を見据えた指導に定評がある。自身の人生を変えた、Reading・Listening・Speaking・Writingという英語4技能すべてに効果を発揮する「本当の音読（能動的音読）」を伝えることに並々ならぬ思いがあり、音読の習慣化により、危機的英語力だった生徒を難関大学に多数合格させている。また、予備校生以外でも「ちょっとしたところ」でつまずく人たちの力になりたいと、執筆活動にも力を入れている。著書に『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』（ナガセ）などがあり、学校専用教材も手がけている。
「やさしい英文を音読する意味はあるのか？」
「音読するなら、レベルの高い文のほうがいいのではないか？」
こうした疑問を抱く英語学習者も多いはずです。
日本では、英語を数学や理科といった「教科」の1つとして教わるため、「より難度が高い問題が解ける」「よりハイレベルな英文が読める」ことが重要だと誤解されている感が否めません。
英語は「言葉」であることを強く意識してみてください。
英語はそれ以上でも以下でもなく、荒っぽく言い換えれば「道具」とさえ言えるのではないでしょうか。
つまり、相手の発言を理解することはもちろん、自分の考えを短く、シンプルな表現で誤解されないように伝えることが英語を学ぶ本来の目的であるはずなのです。
「難しい単語や複雑な構造の文を使い、テンポ悪く話す」よりも、「シンプルでわかりやすい単語や文を使い、テンポよく自信あふれる顔つきで話す」ほうが、友人としてもビジネスパートナーとしても、何倍も信頼できるのではないでしょうか。
もちろん、英語に慣れていった結果として、使う表現レベルが上がっていくのはいいと思いますし、それが自然なレベルアップなのだと思います。
だからこそ、最初からレベルの高い表現を音読する必要はありません。レベルの高い表現を音読する暇があるなら、最初のうちは自信満々で使える表現を何度も音読し、基礎固めをすべきです。
音読をするならやさしい英文にかぎる！ あなたもそう思いませんか？
