「たった1分の音読で、英語がスラスラ話せる。英語4技能も伸びる」。
「そんなバカな!」と思うかもしれないが、事実だ。
今、『1分間英語音読』という本が話題になっている。著者は東進ハイスクール英語科講師の大岩秀樹氏。1分間英語音読とは、「1分と時間を区切り、中学レベルの基礎英文を繰り返す」音読法だ。
音読する英文に英語4技能(Reading・Listening・Speaking・Writing)すべてに欠かせない文法事項が盛り込まれており、「やればやるほど英語力が伸びる!」を実感できる構成になっている。内容の一部を特別公開する(構成:中村明博)
英語の「正しい音」をインプットしよう!
正しい音読とは、正しい音をマネることから始まります。
音源を聞きながら、それをマネして音読する。使える英語を習得する最重要ポイントです。
しかし、ここで1つの疑問が生じるはずです。
「音源を活用すれば、黙読でも同じなのでは?」。
では、音読のすごい効果をもう1つ体験していただきましょう。携帯電話の録音機能や、スマートフォンの録音アプリなどを用意してください。
次に、映画やYou Tubeなどを見て、ネイティブの音声を聞きます。そして、マネて発音した自分の声を録音し、聞いてみてください。
どうでしょうか。
録音された自分の声は、ネイティブの音声と同じくらいのスピードで、同じような発音でしたでしょうか。加えて、声のトーンや強弱のリズムなどはどうでしたか。
おそらく、「結構違う」と思われる方が多いはずです。これも音読のすごい効果なのです。
黙読という行為は、「自分が覚えている音は正しい」という前提で成り立ちます。しかし、本当にその音は正しいのでしょうか? もし、Wednesdayを「ウェドネスデイ」と覚えていたら、それは英語として誰かに伝わる単語なのでしょうか?
日本では、私を含めて多くの方々が、日本人先生の発音を耳にし、単語も単語帳に記された「カタカナ」「ひらがな」の読み方を手がかりに覚えてきたはずです。
しかし、音源を用いた音読を習慣化することで、「間違って覚えている音」や「カタカナ読みで覚えている音」が、「正しい音」に上書きされていくのです。
黙読では絶対に不可能な、音読ならではの絶対的な利点です。
さらに、今までの学習を通じて蓄えた「音がズレていたために使いこなせなかった表現」がListeningやSpeakingにも生きていく感覚が必ず実感できます。聞こえなかったのではなく、「そもそも違う音で覚えていた」ことに気づくでしょう。
相手に通じなかったのは、そもそも発音が違っていて、別の単語や、存在しない単語に聞こえていたからだったのです。
言うまでもなく、英語を口から出せば、そのままSpeaking のトレーニングになります。音読を繰り返していくうちに、「英語を話そう!」と思わなくても、自然と英語が口から出てくるようになるのです。
これらに気がつく頃には、「和訳せずに英語を英語のまま読んでいる自分」に気づくはずです。英文を読んでみてください。黙読だけの頃よりも、だいぶ速く読めるようになっていることが実感できるでしょう。
英語はすぐにできるようになるものではありません。しかし、学習を習慣化し、続ければ、必ずモノにできます。そのためのツールが、『1分間英語音読』なのです。