イタリア避難所のテント
テントの中には仕切りをつくってプライバシーを確保する

 そして、充分広いですね。テントの中には仕切りをつくってプライバシーを確保します。

 ということで、トイレ、キッチンカーによる食事、そしてベッドの3つが、すばやく避難所に運ばれます。この時、トイレはもちろん、ベットと食事の場所もすべて別です。衛生面だけではなく、被災生活が日常生活からかけ離れたものにしないためにも、寝る場所と食事の場所を一緒にはしません。

 さらに、朝、地震が起こったら、夕方にはこの3つが到着することを目指しているそうです。目標12時間ってことでAmazonプライムとか、ヨドバシカメラなみ!?

 その後、テントは法律で48時間以内、マットレスのベッドは1週間以内の到着を目指しているそうです。

 もちろん災害によって、いつも目標時間内というわけではないそうですが、それでも、目標時間は決めているそうです。では、なぜそんなにスムーズに避難所に物資を送ることができるのでしょうか?国や市など公務員の方達が積極的に動いているからでしょうか?イタリアの国家安全省を訪ねた宮定氏が聞いた答えはこうでした。

「イタリアは災害が多く、私たち公務員だけではとても災害救援はできません。私たちは 直接支援するのではなく、被災者が何を必要としているかを聞く立場なんです」

 国家安全省の方は、被災者や支援に入る方の声を聞き、調整するのが仕事であるとのこと。実際に中心になって動いているのは、こちら。

民間ボランティアも充実。
自前で救急車や重機も!

イタリア避難所
写真中央が宮定章先生

 民間ボランティアの方々です。民間ボランティアといっても、イタリアでは食料、避難所運営、ロジスティックについて事前に訓練を行った専門ボランティアの方たちです。その数、現在訓練終了者80万人。

 ボランティアに参加する方達は、みんなの憧れの存在ということもあって、様々な世代の方がいるそうです。そして、学生だけではなく会社員も参加しやすい法制度があります。災害時に社員が「ボランティアをするために会社を休みたい」というと、会社はそれを拒めない法制度なのです。ボランティアを拒めない法制度!すごいですね!

 さらに、拒めないのは、ボランティアだけではないのです。例えば、災害直後の被災地の公務員の方があらかじめバカンスを予定していたとします。その時は、災害が起こっても、バカンスにそのまま行くことが認められています。

 被災現場を見て、それでもなおバカンスに行かれるかどうかはわかりませんが、仮に行かれたとしても誰からも責められないそうです。家族とバカンスに行く事も、かけがえのない重要事項として日頃から認識されているのかもしれませんね!

 公務員の業務も、被災地の公務員の方は日常業務を中心に行い、応援に入った他地域の方が災害対応をする役割分担になっているそうです。このあたりは、価値観の違いもあり、すぐに日本に導入という議論にはならないところでしょう。