「定年離婚」される夫が知らない、妻が溜め込む恨みの正体

夫が長い会社員生活を終える定年。その時に離婚を切り出す妻がいる。夫には青天の霹靂かもしれないが、妻には予定調和であることが多い。著者の知り合いの離婚事例を紹介しながら、離婚を回避するには、男性は何をすべきかを考えてみることにしよう。

 筆者には常々、思っていることがある。それは「学力偏差値よりもアモーレ偏差値が低すぎる!」という主張である。

「アモーレ偏差値」とは筆者の造語であるが、要は日本の男の「アモーレ度」とも呼ぶべき、恋愛能力=共感能力が著しく低いことを憂いているのだ。

 日本の熟年男性が男女関係だけではなく、人と人との人間関係に至るまで「どう会話をして、どうやって関係性を深めていくのか」について学ぶ機会を得てこなかったためなのか、ここ最近は各メディアも盛んに「ニッポンのオジサンの孤独」を扱っている。

「アモーレ偏差値」が低いということは、相手が心も体も含めて、どうすれば嬉しくて、どうすれば痛く、嫌なのかを感じ取る「共感能力」に欠けることを指すので、結果、モテるどころか、逆に愛想を尽かされる結末を迎えやすい。

 これが「定年前夜」のオジサンたちを襲う「妻からの三行半」という原因になっていると筆者は推測するのである。