今年のお盆休みはどのように過ごしただろうか。たまの休みに羽を伸ばせた……なら良いが、帰省にあたって、仕事以上に気疲れしてしまった……という人もいるのではないだろうか。久しぶりに親戚と顔を合わせる機会だからこそ、ひと悶着も起こりやすい。帰省で直面してしまった修羅場について話を聞いた。(取材・文/フリーライター 藤井弘美)
実家で悪癖に拍車がかかる
夫への溜まった不満が爆発
世帯の核家族化が進み、夫の両親とは同居しないという選択をする家族が大いに増えた。嫁と姑が顔を合わせるのは盆や正月などの機会に限られてくる。
結婚4年目のAさん(28歳女性)は、日ごろから夫の実家へ心を配るようにしており、お歳暮・お中元等の贈り物をはじめとして、生後1年になる子どもの写真をひと月に一度絵葉書で送っている。彼女の心根には「舅・姑を大切にしたい」という思いがある。
「今住んでいる場所が私の実家に近いので、夫の両親と孫に距離があるのを申し訳なく感じています。私の感覚は、夫や夫の両親とはだいぶ違うので違和感を覚えることは多いですが、それとこれとは別だと考えているので」(Aさん)
しかし彼女がそう思えるのも「ある一定の条件下で」との自覚がある。
「夫の実家に優しく気遣えるのは離れて暮らしているからに違いないです。ほんの数日一緒に暮らすだけでは距離は中途半端に埋まらないし、価値観の違いからストレスは溜まる一方。私の周りでも、『夫両親とは良好な関係でいたいので一定距離を置く』っていう女の子は多いですよ」
過去によく取り沙汰されていた嫁姑戦争はやや沈静化、あるいは冷戦化している傾向にあるといっていいかもしれない。