佐野元春はロッカーである。しかし、その作風は変幻自在。時代の空気を読み、それを感じ言葉を紡ぎ出す。そして、それを曲に乗せて私たちに届けてくれるのだ。現在、新アルバム『MANIJU』を引っさげてツアーをまわる佐野さんに、アルバムのこと、ご自身の近況、さらに、自由について、語ってもらった。
生まれ変わった"新"佐野元春
── 髪も短くなり、スタイルも変わって……。60歳にして、佐野元春さんがまるで生まれかわったような印象です。
そう、〝新〟佐野元春といわれています(笑)。まるでシン・ゴジラみたいだよね。
── (笑)この変化のきっかけは、なにがあったのでしょうか?
ヘアスタイルについては、いつかは短くしたいと思っていただけなんですけれどもね。ただ、40代50代と、ダルい感じが続いていたんです。なんだかずっと自分が冴えていない気がしていた。そこで、これはもう根本から全部を変えないとダメだと思うようになって、食生活を変え、暮らしのサイクルを変え……そうしたら、どんどんと身体がいい感じに変わってきた。
── 身体が変わると、やっぱり違いますか?
違いますね。身体自体も軽くなったし、疲れにくくなったし、精神的にも楽になったと思う。それまでは正直、食べ物にはあまり気を遣っていなかったんだけど、まずは、野菜中心に食べるようにして……生まれ変わった感じです。