紙製のストローは、我々の印象では性能が悪い。つまり飲んでいる途中でへたってしまったり、穴が開いたりして、実用性に乏しいという印象がある。ところがシアトルの紙ストローは極めて性能が良く、1日カップに差しておいてもまだまだ使えるほど丈夫らしい。

 しかし1つ問題があって、それはコストが高いということだ。プラスチック製のストローが1本0.5セントであるのに対し、紙製のストローは1本5セントと約10倍のコストがかかるのだ。

プラスチック製ストロー廃止は
環境問題にどれだけ効くのか

 このような様々な要因がある中で、今回スターバックスはワールドワイドでプラスチックストローを廃止する決定を行った。英断ではあるが、それは環境問題に対してどのような影響があるのだろうか。

 スターバックスは巨大企業である。もちろん、マクドナルドもそうだ。スタバが1年間に世界中で使用するストローは、推計で10億本になるという。マクドナルドの推計値はないが、おそらくスタバよりも数倍多くなるはずだ。

 これだけの数のプラスチックストローが世界で使われなくなるというだけで、直接の削減効果は無視できないインパクトになるだろう。しかし今回の決断は、それよりも世界中の消費者の意識に訴えかける効果の方が、はるかに大きいだろう。スタバとマックがプラスチックストローをもはや使わないと決めたという「ストーリー」の方が、海洋汚染の現状を変える力としては、世界を大きく動かすことになるのだ。

 その意味で、報道の役割というのは重要である。今回のスタバの発表では、ストローを廃止してストローなしでも飲める新しいプラスチックのリッド(ふた)を開発するというニュースが流れた。それを指して「結局、プラスチックを使うのか」と批判的なコメントも流れたが、そうした批判は打ち消していくことが大切である。同じプラスチックでも、リサイクルできないものを廃止してリサイクルできるものへ変えていくということに意味があるのだから。