同時にスタバは、フラペチーノのようにストローなしでは飲みにくい商品には、紙製のストローを提供することも計画しているという。そういった新しいリッド、新しいストローが、シアトルやイギリスのような環境問題に敏感な地域だけでなく、日本や中国など世界中に登場すること、それもスターバックスとマクドナルドという世界の2大チェーンで、多くの消費者が目にとめるようになることに意味がある。

 消費者がそのような新しい動きを目にし、話題にすることで、同業の多くの企業で同じ動きが起きるだろう。日本国内でしか展開していないチェーン店でも、そのような環境に優しい代替製品があるということが消費者に広まれば、自社チェーンでもそれを使うという動きになることは十分に予想できる。

2社のインパクトは限定的だが
「うねり」を起こすことに意義がある

 そのような啓蒙効果により、少なくとも世界中の飲食チェーンでプラスチック容器の利用は縮小していくだろう。それがプラスチックごみによる海洋汚染を止める、1つの大きなきっかけになることこそが、重要なのである。

 そして読者もお気づきの通り、これはあくまできっかけに過ぎない。海洋を汚染しているプラスチックごみのうち、ストローなどはごく一部である。

 燃料や薬品を入れる大きなプラスチックタンク、道具入れに使われるプラスチックケース、プラスチックシートといった別の種類のプラスチックにも、今後誰かが光を当て、それを減らす運動が求められるだろう。道のりはまだまだ遠いのだ。

 まとめれば、ストローの廃止自体の影響は小さいかもしれないが、海洋汚染を減らしていくための戦略的な道筋の中では、実に大きく重要なニュースだったということである。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)