7月10日、JASRAC(日本音楽著作権協会)が音楽教室に対し、レッスンに使用している楽曲の著作権(演奏権)使用料の徴収を始めたというニュースが流れた。このニュースに対して、ネット系ニュースサイトやSNSでは否定的な意見が多く出された。
JASRACの発表に対して、ネット界隈が噛みつくのは今に始まったことではない。インターネットの商用化とともに、この構図は出来上がったとみていいだろう。音楽著作権者の代表機関としてのJASRACの権利主張は、個人のホームページやネットサロン、掲示板といった私的活動の延長にあったネットユーザーの文化とぶつかりやすい。
当時、ネット論客やユーザー団体は、ことあるごとにJASRAC関連の問題に噛みついていた。中には「著作権がそもそも諸悪の根源」とまでいう輩までいた。他にも、JASRACは文科省・文化庁の天下り先、徴収した使用料が歌手・作曲者等に還元されていない、ミュージシャンがライブで自分の楽曲を歌ったらJASRACがやってきて金をとられた…といった話はネット上では都市伝説のように語られ、現在もSNSでよく見かける。
そもそも、これらの話は本当なのだろうか。また、なぜJASRACはカラオケやダンスのような、趣味や庶民の愉しみにまで踏み込んで、あえて支持が得られないような使用料徴収を広げていくのか。改めて考えてみたい。