定期的メンテナンスサービスを展開し、さらに受注拡大

 さらに、誰もが気付いていなかった同社の光る部分は、この後に続く新たな商品開発の際に現れました。

 ヒアリングを進めていく中で、金型というのは、不具合が発生して初めて整備を行うのが当たり前で、定期的にメンテナンスを行っているところは少ないことがわかりました。

 しかし、同社は納入先に対して定期的なメンテナンスを行っていること、また、それにより大きな損害を未然に防ぐことができた実例があったこともわかりました。

 取引先からは大変感謝され、ぜひ他の金型もみて欲しいと言われたそうです。

 これこそ同社の最大の強みであると、読者の皆様も気付かれたのではないでしょうか。

 しかし、同社では通常業務という認識でいて、スゴイことだとはまったく思ってもいない様子でした。

 私どもの提案を受け、同社はこれを「金型ドック Best コンディション」というサービス名で展開。チラシを作ってダイレクトメールで全国の自動車部品関連工場等に送ると、すぐに応じきれないほどの問い合わせが入りました。

 大手自動車関連企業のトップが自ら同社を訪れ、新規の大型案件を発注するという想定外の事態にもなりました。

 このように、当人たちにとっては何気なく行っている日常的な仕事の中に、思わぬ宝物が眠っているものです。