eコマースの台頭で物流が大きく変化。とりわけ大都市での物流拠点ニーズはさらに高まるだろう。これまで「トラックターミナル」機能を中心に提供してきた日本自動車ターミナル(JMT)も、新たな物流ニーズへの対応を加速している。
2018年7月に竣工した高機能物流施設「ダイナベース」
都市内物流の「ハブ」の役割
国内物流の約9割を支えるトラック輸送。中でも「特積トラック」と呼ばれる長距離幹線輸送は、モノの流れを根底から支えている不可欠な存在だ。
都内4カ所にある公共トラックターミナル
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日本自動車ターミナル(JMT)は1965年の設立以来、その特積事業者にトラックターミナル機能を提供することで、東京と地方との経済や物流活動をつないできた。東京23区内、環状7号線の外周部に4カ所の広大なトラックターミナルを構え、都内を行き交う集配車両と幹線車両の積み替え拠点、いわば“ハブ”としての役割を担うことで、都市内物流の効率化に貢献してきた。
大消費地である東京には日々、全国から大量の製品や物資が届く。だが、大型トラックがそのまま都市部に流入すれば、交通混雑を招き、都市機能の低下を招く。JMTはそうした物資を一旦、トラックターミナルで受け、都内方面別に積み替える“整流装置”としての役割を長年果たしてきた。
JMTは2015年に創立50周年を迎えたが、その大きな節目で次の50年を見据えて建設に着手した大型施設が今年7月に誕生した。大田区平和島の京浜トラックターミナル内に竣工した「ダイナベース」だ。