立地優位性を生かした再開発を加速
今後の物流は、eコマースの加速度的な成長を受け、より消費地に近い場所に物流拠点を構えようとするニーズが高まってくる。とりわけ最大消費地である東京での立地ニーズは飛躍的に高まることが予想されるが、開発余地は少なく、適地がほとんどないのが実情だ。
その点、23区内に広大なトラックターミナルを運営するJMTへの期待は高い。同社は『メトロポリタン・ロジスティクス』という事業コンセプトを掲げ、4カ所のトラックターミナルが持つ強みを「リードタイム」「レイバー」「キャリアリンク」「コンティニュイティ」という四つのアドバンテージとして打ち出している。特に物流業界で労働力不足が深刻化する現在、周辺に豊富な労働力を抱えている点は、特筆すべき強みだ。
JMTでは今後、ダイナベースの建設を皮切りに再開発を加速していく。葛西トラックターミナルではオーダーメード型の物流施設の建設計画を進めており、来年度にも着工する意向だ。また、板橋トラックターミナルは21年度から全面リニューアルを段階的に進める。
JMTの秋山俊行社長は「当社が持つ立地優位性や強みを最大限に生かした形で経営することが、結果として物流業界の課題解決に貢献していくことにつながる。物流ニーズの変革の波をしっかり受け止めて再開発を加速させたい」と語る。
また、ドライバーや倉庫内作業員の不足に悩む物流業界に対して、「働く人への応援活動」と銘打ち、より良い職場環境づくりにも力を入れる。
各トラックターミナルの管理棟を中心に大手コンビニチェーンの出店や完全分煙化、女性向けパウダールームの整備を進めている。「少しでも気持ちよく働ける環境を整備することで、物流事業者の人材確保を支援していきたい」。
JMTは、7月からコーポレートロゴマークを一新。英文表記のJapan Motor Terminalの頭文字を取った「JMT」を強く打ち出した。「次なる50年に向け再開発を進めていくためにも、まずは当社のネームバリューを高めたい」と語る。