今年10月に開催された歴史あるパリのモーターショー。かつては「世界5大モーターショー」として世界中が注目した展示会だったが、フランス以外の出展者がほとんど集まらず、非常にローカル色が強い体裁となっていた。(モータージャーナリスト 鈴木ケンイチ)
120周年を迎えたパリのモーターショーは
歴史の節目になるかもしれない
2018年10月14日、120周年を迎えるパリのモーターショー(正式名は「MONDIAL PARIS MOTOR SHOW」)が閉幕した。振り返ってみると、その内容は驚きのもので、「歴史の節目になるかもしれない」という思いがよぎるほどであった。
思い返せば、前回の2016年のパリもサプライズなショーだった。その前年となる2015年の秋に、フォルクスワーゲンのディーゼル不正が発覚。それを受けて、翌2016年のパリでは、ドイツ勢が一気にEVシフトを表明。ディーゼルから電動化へ、世の流れが変わったことを感じたものだ。
同じように2018年のパリも歴史の年になるのではないだろうか。
それは「インターナショナルショーの終焉」だ。これまでパリをはじめ、フランクフルト、デトロイト、ジュネーブ、東京のモーターショーは別格で、「世界5大モーターショー」として世界が注目した。各都市で開催されるものの、その内容は世界中に発信される“インターナショナルなモーターショー”であったのだ。
ところが、今年は、そのパリに出展者が集まらなかった。
なんと、フォルクスワーゲンが不参加。アウディとBMWもドイツ資本ではなく、フランスの現地法人の参加だ。すでに各大陸ひとつの出展を表明するボルボもいない(欧州はジュネーブに参加し、他には出ないということ)。