厚労省について、「役所が大きすぎて機能しないから分割再編すべきだ」という意見には賛成するが、一つの国で年金と労働が制度的にバラバラであっていいはずはない。

その2 商品ラインナップと教育に問題あり

 確定拠出年金は先に企業型が普及し、個人型(愛称「iDeCo」)の普及が後からになった。企業型は、導入する企業や企業グループによって制度の詳細が異なるのと同時に、運用商品のラインナップが異なる。

 また、個人型についても、取り扱う金融機関ごとに運用商品のラインナップが異なっている。

 そして、多くの確定拠出年金にあって、

(1)運用商品の数が多過ぎる
(2)確定拠出年金に不向きな運用商品がラインナップされている
(3)運用方法と運用商品について適切な情報提供がなされていない
 
 といった問題がある。

 ごく例外的に、確定拠出年金を導入する事務局が、優れていた企業の企業型確定拠出年金にあって、(1)(2)(3)の問題がほぼクリアされているケースがあるが(筆者の知る限り、企業年金を確定拠出年金に全面移行することを決めたソニーの確定拠出年金は優れている。導入時に事務局がよく考えたのだろう)、多くの企業型確定拠出年金及び個人型確定拠出年金のほとんどにあって、上記の3つの問題が指摘できる。

 20を超えるリスク資産運用商品があるようなケース、手数料が高いアクティブファンドがラインナップされているケース、税制上のメリットが十分活かせないバランスファンドが複数あって、投資教育でそうしたファンドに誘導されるケースなど問題が多い。

 企業型では、会社が制度を導入する金融機関グループに、制度設計や商品選定を「丸投げ」した場合にこうした問題が起こりやすい。

 端的に言って、金融機関にとって収益性の高い(手数料の高い)商品に加入者を誘導しようとして、このようなラインナップになる。加えて、加入者教育を同じ金融グループが行うために加入者が手数料の高い商品に誘導されて、しばしば選択を間違える。