3週間前、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、ユーザーのデータを「入念に整理、合成、交換、販売」し、「兵器にした」テクノロジー企業を激しく非難した。ブリュッセルで理解力のある聴衆を前に同氏はこう述べた。「集積された個人データはそれを集めた企業に利益をもたらすだけだ」クック氏が批判した企業の幹部――名指しこそしなかったがフェイスブックや、グーグルの親会社のアルファベットだ――があきれても不思議ではない。結局、クック氏がしているのはアップルの宣伝だ。自分の会社は製品を高く売って利益を生み出しているが、グーグルとフェイスブックは自社製品を無料で使わせ、広告を売って金を稼いでいる、と言いたいのだ。