絶壁の上に平らな台地が広がる「テーブルマウンテン」や世界最大の落差を誇る滝「エンジェルフォール」で知られるベネズエラのカナイマ国立公園。先住民のペモン族は長らく、この国立公園の世話役を自認してきた。しかし、国の経済危機によってツアーガイドとしての生活が成り立たなくなった彼らは今、金鉱を求めて地面を掘り起こさざるを得ない状況に追い込まれている。こうして広がる露天掘りの金鉱が、深刻な自然破壊を引き起こしている。「われわれペモン族は常にエコロジストであり、この土地の守護者だった」。近くの集落のリーダー的存在であるアブラハン・サンドバル氏(33)はこう話す。「だが状況が変わり、われわれは自分たちの居住地の破壊者になってしまった」
経済危機のベネズエラ、金採掘で荒れる自然遺産
インフレ率が100万%を超えるなか、国立公園のツアーガイドでは先住民は生活できない
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