カルロス・ゴーンPhoto:Reuters

 かつてある企業の救世主だと称賛された元最高経営責任者(CEO)が空港で逮捕された。起訴されずに何日も勾留され、弁護士の同席なしに検察官の尋問を受けている。不正な金融取引の疑いがあるとメディアがリーク情報を流すなか、会社でのポストも解任された。

 共産党が支配する中国の話だろうか。いや、資本主義の日本で起きたことだ。日産自動車のカルロス・ゴーン前会長は不可解な取り調べに耐えている。公式に入手できる事実はどうも曖昧だ。この出来事は、日本のデュープロセス(適正な手続き)やコーポレートガバナンス(企業統治)に関心を寄せるどんな人をも悩ませるに違いない。

 日産を倒産の危機から救ったとして、ゴーン前会長が日本で絶賛を浴びたのはそれほど昔のことではない。だが今や、同容疑者は期限を定めずに拘置所に入れられ、家族との接触も、自分の名誉を擁護することも許されていない。自らの運命を知ることなく社用ジェット機で到着し、即座に逮捕された。日本人弁護士と2回ほど話し、レバノンとフランスの外交官に面会することができただけだ。

 日本の法律では逮捕後の容疑者を48時間まで身柄拘束できるが、裁判所が認めると10日間は起訴手続きなしに勾留でき、この期間はさらに10日間の更新ができる。その後、容疑を切り替えて再逮捕することも可能だ。だがそのような処遇は、不正行為や私的金融取引を行った前歴がない国際的なCEOよりも、ヤクザにこそふさわしい。日本の検察当局は、不正会計問題に揺れた東芝やオリンパスの容疑者に対してこのような扱いをしなかったはずだ。